ふるさとの文化第2集
昭和58年暮れ、文部省派遣調査団を案内した馬ん寺の名もない仏像が「翼を持った観音を発見―
「日本では初めて」と熊本日日新聞に報道されて話題になった。あれから20余年、その後の調査も含めて写真で紹介する。

今富・潟の六地蔵 ふるさとの文化
B5版2,500円

■表紙写真

◆今富・潟の六地蔵
写真は村の守り神としての六地蔵で、昭和7,8年頃までは6体の地蔵が露天に立ち並んでいたが、昭和10年前後に流行した赤腹(赤痢)をおさめるため易者のお告げにより分祀され、地蔵堂が建立された。
地蔵堂には隠れキリシタンの影響のためか〆縄が張られている。(詳しくは第2集に掲載)
ふるさとの文化 第二集の内容
  • 崎津諏訪神社大祭 昭和50年代「ふるさとの文化」第2集発刊に際して―
  • 崎津諏訪神社縁起 御神幸祭行事を中心に―
    お祭を中心に古くから地域に親しまれてきた崎津諏訪神社。その祭礼行事はもちろん、神社の歴史、歴代宮司、由緒、棟札、その他、後世に引き継ぐべく記録に収めた。
  • 天草・富津に今も残る末子相続―
    根引き子部屋跡末子相続はきわめて古い相続形態で全国に点在しているが鹿児島に発し天草を通り長崎に至るルートがある。本書はこの地区独特の末子相続について史料や聞取り調査から相続形態を探る。
  • 根引き子部屋の由来―
    山村の貧しい村。孤児達の多さに救いの手を差し伸べられたフェリエ神父と水方の大崎辰三しが仮教会近くの民家を借り受けて孤児たちを収容されたという・・・。
馬ん寺有翼観音記事
  • 富津の遺跡と遺物 馬ん寺有翼観音のことなど―
    昭和58年暮、当時の教育長より「隠れキリシタンの遺跡は知らないか」というので、馬ん寺と呼ばれていた小高い山に案内した・・・
  • 富津・山下家に遺る「オラショ」
        濱崎献作氏の発見とその後の成果―
    濱崎献作氏が平成11年発見依頼調査研究を重ね、昨年の熊日出版文化賞を受賞された『天草の伝承―キリシタンその変容と消滅/石に遺された信仰の証』(サンタマリア館発行)の資料となった「富津・山下家に遺るオラショ」を引用・要約し掲載した・・・。
  • 旧今富村関係「宗門心得違御吟味日記」上田家文書より抄録―
    故・平田正範氏が上田家文書より旧今富村関係資料を抜粋された旧今富村関係「宗門心得違御吟味日記」を引用掲載・・・。
  • 史料・旧大江村大庄屋松浦家文書―
    中村学園大学(福岡市)の坂本喜久雄教授よりご恵送頂き写真複刻した『松浦家文書』(天草8ヶ村の大庄屋であった松浦家に残る古文書の原文)を縮小掲載・・・。

編集後記より
・・・2号にあたっては前号に記録することができなかった全国的にも珍しいともいわれている末子相続の実態を重点におき、民俗芸能というべきか崎津諏訪神社縁起、それに伝承として隠れキリシタンにかかわる古文書等を取り上げてみることに致しました。
特に、母系相続の名残ともいわれる末子相続とは、私を始め多くの皆さんもおそらく昔の家族構成、即ち一家に平均4〜5名子供がいたが、上から順次手に職をつけさせ、口減らしともなる分家をさせるため、必然的に末子相続が行われていたと考えていらっしゃったのではないかと思いますが、本誌を読んで戴ければ末子相続がいかなる理由で実行されていたのかお解りになるのではないでしょうか。
ふるさとの文化第2集
お申込先
熊本・天草
富津の文化伝承の会

問合せ先
 mail: noboru@55net.co.jp
好評だった第1集はすでに在庫がありませんので第2集もお早めにお申込ください。
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